糖尿病とは
糖尿病とは血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上がる病気です。
血糖値が高い状態が、数年間続くと合併症をひきおこす可能性が高くなります。この合併症を防ぐことが糖尿病の治療の目的です。
糖尿病の代表的な合併症(とその症状など)
- 糖尿病性神経障害(両足のしびれ・痛み、立ちくらみなど)
- 糖尿病網膜症(視力低下、失明など)
- 糖尿病性腎症(タンパク尿、むくみ、人工透析など)
- 心筋梗塞(急な胸の痛み、心停止など)
- 脳梗塞(手足の麻痺、呂律がまわりにくいなど)
- 足えそ(足の皮膚が赤くはれる 足が腐るなど)
- 歯周病(歯肉の痛み、歯が抜けるなど)
ただし上記症状はすぐに現れるわけではありません。
糖尿病がある人の数と治療を受けていない人の割合
糖尿病が強く疑われる人は国内で推計1千万人です。成人の12.1%です(男性16.3%、女性9.3%)。
これらの人のうち、治療をうけていない人が男性21.1%、女性25.8%もいらっしゃいます。特に40歳代の男性は48.5%もの人が治療を受けておらず大変危険な状態です。(厚生労働省 平成28年国民健康・栄養調査)
高血糖を指摘されても自覚症状がないから様子を見てみようと自己判断され、数年後には糖尿病、糖尿病の合併症が悪化してしまったといった人にこれまでお会いしてきました。症状がなくても糖尿病の合併症は進行します。将来の合併症の発症予防に早期治療が必要なことが、大規模研究で知られており、無症状でも早期の治療開始が重要です。
糖尿病の症状
血糖値が高くなってくると以下のような症状がでます。(この時期はすでに糖尿病がすすんでしまった状態です)
- のどが渇く
- 水をたくさん飲む【多飲】(水ではなくペットボトルのジュース(糖質入り)をたくさんのんでさらに血糖値が上がって、状態が悪化することもありますので注意が必要です(ペットボトル症候群)。飲料は水かお茶、またはカロリーゼロの飲料にしましょう)
- トイレに行く回数が増える【頻尿】(たくさん飲んだ結果たくさん尿がでます)
- 体重が減る、痩せる(食べているのに体重が減ってきます。重症化のサインです)
糖尿病の治療方法
糖尿病は早期発見・早期治療、そして治療の継続が何より大切です。
糖尿病の初期治療は、まず生活習慣の見直しが必要です。そして、食事療法と運動療法と組み合わせながら血糖値の改善をはかります。早い時期から食事療法と運動療法を開始し、血糖を良好に維持することにより、病気の進展合併症を防ぐことを目的とします。糖尿病の治療方法は主に3種類です。
食事療法
糖尿病の最も重要な治療方法です。特に食べてはいけない食品があるわけではありませんが、外食や間食、アルコール等は1日に摂取するエネルギー量が過剰になりやすいので、注意が必要です。運動療法
食事療法と同様、糖尿病の基本となる治療方法です。運動によって血糖値の低下、およびインスリン抵抗性の改善を行います。運動習慣を継続することでより効果を発揮します。但し、合併症がある場合など運動が制限されることもありますので、運動の種類や時間・回数等、必ず医師の指導の下、適切な運動を心がけましょう。薬物療法
糖尿病の薬物療法には、経口血糖降下薬とインスリン、GLP-1製剤注射があります。1型糖尿病ではインスリン注射をします。2型糖尿病では食事療法や運動療法で改善されない時に、経口血糖降下薬やGLP-1製剤やインスリン製剤の注射を使います。インスリン注射は、糖尿病がひどくなったから使用するという印象をお持ちの方も多いですが、早期に適切に使用することで、膵臓の疲弊を防ぎ、結果としてインスリンを中止できたり、長期に良好なコントロールの維持を可能となります。インスリン注射は特別なものではなく、内服治療と並ぶ治療方法の一つという認識です。
以下に当てはまる方は、糖尿病内科である当院への来院をご検討ください。
- 専門医のいる専門クリニックで治療を受けたい方
- 即日の血液検査(HbA1c、血糖)を知りたい方
- インスリン注射回数を減らしい、薬が多く整理したい方
- 血糖コントロールが上手くいかない方
- 低血糖症状を感じることが多い方
- 減量したい方
- 昔から同じ治療で一度治療方針の相談をしたい方